RX-7 FC3S

● 自動車の歴史 

● RX-7 SA
       FC
       FD
● ソアラ

リアルスポーツとしての進化を遂げる2代目RX-7はコンセ プトの提示を初代登場後1年半ほど経過した時期に行われている。
ゼロベースで「スポーツカーとは何か?」という基本的な視点に立ち戻り、前モデルとは直接的な関係を持たずに計画の原案をかためていくことから始まっ た。
スポーツカーの歴史は誕生した100年前の自動車発祥時点で、より速さを求める競争競争原理への欲求へイデオロギー確立していた。
「参考となるものなら、どんなクルマでも肌で感じあえるところまで乗った」 その中のコンセンサスは、当面の競合車だけでなく、初代RX-7(SA22C)にこだわらず、未来に通用する新しい価値観を創造すること。

時代の流れの中で、あらゆるものの価値観は例外は免れなく変貌してゆく。
時代ごとに技術面での限界が存在することも事実であり、快適性を選択しようとしても技術が追いつかず、そのためにきわめてスパルタンな指向を余儀なくされ たとも致し方ない。
古いスポーツカーは実際のスピードは遅くても、それをコントロールする場合に興奮する領域がある故それなりの魅力を持っていたのではないかとすれば、ド ライバーの感性的な領域を充分に残しておくことが必要。しかもその限界を高いところに設定したものでなければ、すぐに飽きられてしまう。スポーツカーであ る以上、単に直進安定性を追求したものではなく、クルマを操縦する場合、そこには『心地よい緊張感』が確実に存在することが重要

このコンセプトで1985年10月に登場した2代目サバンナRX-7(FC3S)は、さらなる高次元スポーツカーへと進化を遂げていた。
突起部を減らした張りのあるボディ、幅広タイヤを収めるブリスターフェンダーがその存在感をアピールする、初代モデルから大幅に重厚味を加え、より洗練 されたスタイリングに成熟されている。ボディサイズは旧型SA22Cターボと比べると、やや短くなったものの、幅広でやや高くなっている。
このモデルチェンジによって、エンジンは従来の12Aから全車『13Bターボ』へと換装された。654cc×2の排気量に空冷イン タークーラー付きのターボチャージャーを組み合わせたエンジンは、ネットで最高出力185ps、最大トルク25.0kg-mを発生する。パワーウェイトレ シオは6.54kg/ps(GT)となった。
前後の重量配分は50.5対49.5となり、フロントミッドシップの走りにもさらに磨きをかけた。シャープでクイックなハンドリングとハイスピードク ルージングにおける圧倒的な安定性を両立するために、サスペンションは、フロントがマクファーソンストラットにコイルスプリング、リアはセミトレーリング アームにラテラルロッドとコイルスプリングを組み合わせ、スタビライザーは前後に装着される。さらに、リアのサスペンションは、トーコントロールハブの採 用で方向と大きさの異なる入力に対し、トーインし車両運動を安定コントロールさせた。

86年8月、特別仕様車∞(アンフィニ)を300台限定で発売。初めて2シーターとなり、BBS社製アルミホイール、専用ダンパー、アルミ製ボンネット の採用で、スパルタンなスポーツ色を強めている。∞シリーズは、その後91年までに小変更を含め6回の限定販売が行われた。
87年8月に新しいボディバリエーション「カブリオレ」を追加。フルオープン、タルガトップ、クローズドの3タイプが選べ、座席後方にはフルオープン時 の室内への風の巻き込みを抑えるエアロボードを備えている。89年のマイナーチェンジでは、圧縮比アップ、ターボの改良などにより、205psへのパワー アップを果たし、さらにエンジン各部の軽量化によって、レスポンスの向上も図られた。一方テールランプも丸形3連に変更。